2011年度 秋の研修会 講演要旨

10月2日(日)恒例の秋の研修会が、支部会員約300名の参加のもと、秋晴れの中、
奈良公園内にある奈良県新公会堂にて開催されました。

2部構成で1部には、奈良県立医科大学木村弘教授をお迎えして
「息切れ・肺の生活習慣病対策としての太極拳」という演題にて
講演をしていただきました。

呼吸器疾患の専門医の木村先生から肺の主な疾患であるCOPDについてイラストなどを使い
解り易く説明をしていただきました。内容を要約するとCOPDとは肺気腫、慢性気管支炎など
呼吸器系の疾患を総称してCOPDと呼ぶようになり、原因としては喫煙などがあげられ、
また加齢による肺機能の低下があげられる。肺の機能は主に酸素と二酸化炭素とのガス交換
である。
これは肺胞と呼ばれるブドウの房状の形で肺胞の表面を拡げるとテニスコート1面分にもなり、
そこでフィルター機能で酸素を取り入れ炭酸ガスを出しています。肺にはもう一つ大きな役目として
代謝機能を調節して活性物質を血液に送り込む働きがあります。肺の機能低下が全身疾患に
つながり、「肺は全身の鏡である」と言われるほど大事な臓器である。COPDになると吸気筋が
萎縮して息切れを起こしやすくなる。

これを改善するには呼吸器筋をリラックスする運動を続けることが有効である。

運動方法として楊名時太極拳・八段錦の中での第1段錦の動きは医学的に見ても理にかない
素晴らしいものであるとのこと。


木村先生も現在楊名時太極拳を学ばれています。

呼吸器の専門医としての観点からも楊名時太極拳の素晴らしさを実感し、また楊名時先生の
著書を読み、感銘を受けた言葉に「呼吸を忘れる呼吸が理想的である」があり、太極拳を続け
ていると自然にゆったりとした、深い呼吸法が身についてきます。

COPDや誰でも避けては通れない加齢による肺機能の低下の改善には楊名時太極拳・八段錦が
とても有効である。太極拳をすると、気持ちよさ、すがすがしさを感じるのは全てを物語っていると
思います。 この言葉で結ばれ,講演を終わられました。